1冊の日記

孤独死した妻と気づかなかった旦那

特殊清掃のお問合せ

パソコンと電話

夏なのに、その日はちょっと肌寒い日のことでした。

 

特殊清掃のホームページを通して1本の電話がかかってきました。

 

お問い合わせの時の一部始終の会話は、こんなやり取りでした。

 

かなり疲れた声で問い合わせの方にこう尋ねられました。

 

「おたくは、死体清掃の会社かい?」

 

「一度来てほしんだけど、いつ来れる?」

 

特殊清掃プロストの加藤
カトウ

お問合せありがとうございます。

お急ぎであれば、本日の午後にお伺い出来ます。

住所はどちらになりますか?

 

というやり取りを得て、現場に向かいます。

 

現場は農家でした。

 

家に近づくとかなり強い腐敗臭がしました。

 

更に近づくとハエが何百匹も飛んでいます。

孤独な女性

 なぜ孤独死が起きたか

見積もりを済ませ、お父さんと打ち合わせをしている時に、状況をお聞きした内容に驚きました。

 

お母さんは、母屋にお住まいで、お元気な方だったそうです。

 

お父さんは、農業のお仕事が大好きで、作業場に寝泊まりしていたそうです。

 

一日に一度、お風呂に入りに母屋に行かれるそうですが、お母さんとは数年前から仲が悪く、口を利かない時も多かったそうです。

 

さらに、お母様はお友達と旅行に行く機会も多く、数日いなくても「どっか旅行に行ってるんだろう」としか思わなかったそうです。

1週間ほどお母様を見なかった時のある日、いつものようにお風呂に入りに母屋にいくと
「なんか腐ってる臭いがする。母さん!ひどい匂いだぞ!」
と、言っても返事なし。
元々、かなり散らかってる家で、玄関も開けっ放し。
お父さんは「野良猫かなんか死んでるのか?」としか思わずに、お風呂を出ると先ほどの腐敗臭が無くなっていて気に留めなくなったそうです。

腐敗臭について

もうお気づきだと思いますが、じつはこの時にはすでにお母様はお亡くなりになって数日経過していました。

 

腐敗臭があったのに、なぜもっと早く気づかなかったか?

 

  • 普段から会話が少なく、相手に関心がなかった
  • 玄関、窓が全開に開いていた
  • 風が玄関から入り、窓に抜けていって臭気が玄関側に来なかった
  • 腐敗臭を猫などの動物と勘違いしていた

 

以上の原因が、腐敗を進めてしまう原因になっていたようです。

 

腐敗臭は、空気の流れによっては、びっくりする程臭う時と、臭わない時があるのです。

 

更に動物の腐敗臭と勘違い。

 

でも一番の原因は、相手に興味を持たない関係にあったのかもしれません。

 

以上が孤独死が起きてしまった経緯でした。

 

ベンチに座るカップル

孤独死を防ぐために

孤独死を防ぐ一番の方法は、孤独にしないことです。

 

昔の近所付き合いのような【身近な人に興味を持てる付き合い】が、必要なのかもしれません。

 

時代が変わったから孤独になるだけではありません。

 

自分から距離を置いて孤独になってしまう場合もあるはずです。

 

身の回りの人とコミュニケーションをとれるように心がけていきたいものですね。

 

私ども特殊清掃プロストも、お客様と接してお話をして考えさせられることも多くあります。

 

少しでも、このブログが役に立つことをお祈りいたします。

 

・・・そして、この後ご主人さんからのご依頼で、遺品整理も一緒にすることになりました。

 

片付けていると、あるものが出てきました。

遺品整理も一緒にしていたら

1冊の日記

それは、日記というか一言メモのようなノートでした。

 

すぐにご主人さんに持っていきました。

 

ご主人さんが内容を教えてくれました。

 

〇月〇日〇時 じじーが風呂入りに来た

○月〇日〇時 今日もじじーは生きてるな、なんかブツブツ言ってるが耳が遠くなってて聞こえない

○月〇日〇時 今年も誕生日なのに一言もなし

 

いつも決まった時間に、日記を書いていたんです。

 

こんな内容が毎日書かれていて、つぎの日記が最後の日記でした。

 

○月〇日〇時 最近息苦しい。死ぬ前にじじーと温泉でも行くかな

 

おそらく亡くなる寸前の日記だったのでしょう。

 

お父さんは、日記を見て、私の前で初めて涙を流しました。

 

私も胸が締め付けらる思いでしたが、お父さんとお母さんの距離が近づけたような気がして、遺品整理にご一緒させて頂いて本当によかったと思えました。

 

作業が終わり、お父さんにご挨拶に行くと、こんな一言が。

 

さっきの母さん日記あるだろ。

 

あれ、いつも俺が風呂に入りに行ってた時間なんだ。

 

十年以上こんな生活だったけど、ばあさんはいつも見ててくれたんだな。

 

これからは毎日ばあさんと話すようにするよ。

 

今日は本当にありがとう。

 

目を腫らしながら手を振って見送ってくれたお父さんを見て、孤独死について考えさせられました。

 

ゴミ屋敷清掃・特殊清掃・遺品整理など、いつでもお気軽にご相談くださいませ。

お客様の立場に立ち、最善の作業を提案させていただきます。

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